オトコラム

■NEWS

3月17日に、千葉工業大学で開催された日本音響学会春季研究発表会のスペシャルセッション“生活「音」環境と音バリアフリー:難聴者と評価”で座長を務めました。

第14号 声のメカニズム(3)
     ~ “細切れ”で声を作ろう! ~

前号では、肺から出された空気君が、声帯によって1秒間に120回~250回くらいの周期で出されたり止められたり・・・細切れにされてしまうというお話をしました。

さて、肺から出るなり細切れにされてしまって、ちょっと可哀そうな気もする空気君。しかし、実はこれがなければ「声」はできないんです。

声帯で細切れにされた空気君は、ここで初めて“音”になるんです。
細切れにされた直後の空気君の音は、まだ「声」とか「言葉」には聞こえなくて、「ブー、ブー、ビー、ビー」といった感じの、まるでブザーのような音なんです。(よ~く聞くと声や言葉のように聞こえなくもない、という感じのブザー音です)

細切れの周期が早いと、これは以前にも何度も出てきた「周波数」が“高い”ブザー音で、「ビー」とか「ピー」とかっていう感じの音になります。一方、周期が遅いと周波数が低いブザー音で、「ブー」とか「ボー」という感じに聞こえます。

オト・コラムでしっかり学んできた皆さんには、もうおわかりでしょう?このブザー音の周波数は、空気君が1秒間に120回ほど細切れにされると“120Hz(ヘルツ)”で、250回ほど細切れにされると“250Hz”になるんです!さらにさらに~~~前回も書きましたが、細切れの回数は、男性で1秒間に120回くらい、女性で250回くらいです。

これを、声の「ピッチ」と呼びます。はい、また覚えちゃいましょう!男性の声のピッチは平均で120Hzくらい、女性の声のピッチは250Hzくらいということですね。

そして・・・ジャジャジャ~ン!
この周波数が、

人の「声の高さ」

を決めるんです!

皆さんが、例えば歌を歌う時に、歌の音階(メロディー)に合わせて、声の高さを高くしたり、低くしたりしますよね?
これは何をやっているかというと、つまり声帯の動きのスピードをコントロールしているんです。もっと言うと、メロディーに合うように、細切れの回数を変えているんですよ。

歌が上手い人って、つまりは、まずは単純に、この声帯の動きのコントロールが正確に出来る人なんです。逆に、メロディーから外れてしまう人は、このコントロールがうまく出来ないんですね。

(2008.04.09)


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