オトコラム

第21号 聖徳太子の耳

聖徳太子は、10人が1度に喋っているのを全て聞き分けて、さらにその内容を全て理解できたと言われています。
この逸話・・・本当でしょうか?
皆さんは、どう思われますか?

聖徳太子ほどの大天才だったら、そんなことも可能だったんじゃないか?
まさか、いっくら聖徳太子だって、そんなこと・・・
色々と、ご意見はあろうかと思いますが・・・

答えは!?

分かりません。
だって、聖徳太子に会ったことないですもん!

まぁ、これで終わってしまったらオト・コラムになりませんから、以降は私の予想の範囲でお話ししましょう。
まず、聖徳太子が本当に人間であったとしたら、あり得ないんじゃないかな?って思います。
通常、人間は、2人から1度に話しかけられても、両方の内容を理解するのは難しいものです。

ただし、どちらか一方だけ理解しろと言われれば・・・2人なら大丈夫ですよね?
じゃぁ、3人ならどうでしょう?
3人が、1度に同じくらいの声の大きさと速さで喋った時、その中の誰か1人が喋っている声に集中して、その内容を理解できるでしょうか?

これは、個人差もありますが、おそらく、ほとんどの人ができると思います。

では、4人では?
4人だと、たぶん、多くの人ができなくなるのではないでしょうか?
4人分の声を1度に聞かされると・・・
それが人間の声の塊だということはわかりますが、一つ一つの声を聞き分けるのは極めて困難になります。
さらに、5人、6人と増えていけば、これはもう単なる「声みたいなノイズ(雑音)」ですね。

もちろん、喋っている人の顔が見えていれば、聞き分けられる人数は飛躍的に増えますよ。
唇の動きや顔の表情、身振り手振りなどの「視覚的な情報」が加われば、その動きに同期した声だけに集中することができるからです。

でも、それでも、その内容を理解できるのは1人分だけです。
大勢が喋っている中で、誰か1人の顔と声に集中して何とか内容を理解して・・・
その直後に、「じゃ、隣の人は何を喋ってた?」って聞かれたら・・・
ズッコケちゃいますよ~
絶対に分からないですから。

「聖徳太子は、10人の人が1度に喋っているのを全て聞き分けて、さらにその内容を理解できた」
これが、「聖徳太子が本当に人間だったとしたら、あり得ないんじゃないかな?」って、私が思う理由です。
10人は、あまりにも突拍子もない数字なんじゃないかな?と。

でも、聖徳太子ほどの大天才! 
3~4人くらいなら、ひょっとしたら、やってのけたのかもしれませんね!

(2009.12.25)


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