オトコラム

第75号 聞こえと認知症

前回のメルマガで、85歳の私の母の話をしましたよね。

あの後、母の検査に付き合って病院へ行き、看護師さんの話を一緒に聞く機会が

ありました。

母は耳が遠くなってきているので、私が横で聞いていて「あ、今のは聞こえて

(伝わって)いないな」と思うところは、横からフォローしてあげました。

もちろん、看護師さんからの質問に対する応答は、母が自分でしていました。

聞き取れない部分だけを私がフォローしてあげれば、それ以外の受け答えは、

大げさでなく若い頃とほぼ変わらずにスムーズでしたよ。

しかし、私が聞き取れない箇所をフォローしていなかったら・・・?

ひょっとしたら、母のカルテには“認知機能の低下あり”とか書かれていたんじゃ

ないかなぁ。

失礼な話ですよね。

昨今は、高齢者とのコミュニケーションがうまく行かないと、すぐに認知機能の

低下と断じてしまう傾向があります。

以前に、あるマスコミ関係の方から聞いたのですが、「認知機能」という

キーワードと、「あなた(もしくは、あなたの周囲の高齢者)も認知機能が低下

してきている」というフレーズは、とても数字を取りやすいのだそうです。

危機感を煽るというのは、以前からあるマーケティングの一手法ですから、

それを批判しようとは思いませんが、聞き取り能力の低下(加齢性難聴)に関する

知識も、皆さんに身に着けて欲しいものだと思います。

難聴を放置していたせいで、本当に認知機能が低下してしまうケースもあるそう

ですからね。

両方の知識がないと、あなたの周辺が“誤解や偏見”でいっぱいになっちゃうかも

しれませんよ。

加齢性難聴は、特別な耳の病気ではなく、加齢に伴って誰もがなる自然な

老化現象です。

そう、あなたも、私も、確実に加齢性難聴になっているのです。

以前にも出させて頂いたことのある「健康カプセル!ゲンキの時間」。

今回は、「~孤立・うつ病・認知症~ 難聴が招く恐ろしい事態」がテーマ

だそうです。

(株)TMJさんとオトデザイナーズの共同開発 高齢者対応トレーニングアプリ

「ジェロトーク」も登場する予定です。

どんな内容なのか、私も今から楽しみなんです!

(2019.2.28)


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