オトコラム

第76号 それって本当に認知症初期症状?

最近は、ネットもテレビも、認知症に関する記事や番組が満載です。

超高齢社会となっている日本では、シニア世代の人口が爆発的に増えていますから、

認知機能の低下を心配する人が多いのは当然ですからね。

一方で、そんな影響で、高齢者が何かの問題を起こすと、何でもかんでも認知機能

の低下と結び付けてしまう傾向もあるように思うんです。

例えば、高齢者が交通事故を起こすと、認知機能の低下と関連付けて、高齢者の

危険運転がやたらと大々的に報道されます。

実際、加齢に伴って誰でも認知機能は低下していきますので、それが間違いだと

言うつもりはありません。

しかし、交通事故の年齢別統計データを見ると、高齢者が事故の発生率が高いと

いう訳ではないそうです(死亡事故だけの発生率は、若年者と高齢者が高め

だそう)。

こういうデータを知ると、高齢者は、もちろん若い頃よりもさらに気を付けて運転

せねばいけませんが、「高齢者だからって危険な運転をすると決めつけてはいけ

ない」ということも分かりますよね。

病院や役所、企業の接客応対の現場では、キレる高齢者や、手続きや説明が理解で

きなくてマゴマゴ、モタモタする高齢者がクローズアップされています。

ところで最近は、医師も看護師も、企業の店舗スタッフも、

みんなマスクをしていますよね?

あんなにみんながマスクしてるのって、日本だけだって知ってました!?

余談ですが、学術的には、マスクによる感染予防効果ってほとんど無いことが

以前から知られているそうですね。だから、マスクをしてると、かなり悪い特殊な

感染症の人って思われて、みんなが避けて通るような国も多いようです。

話を戻しましょう。

病院や企業の店舗では、効率よく患者や顧客を裁こうとして、応対内容が完全に

マニュアル化されているところが多いです。

そういったところって、すごい早口で一気に喋りますよね?

以前にも書きましたが、加齢性難聴は特殊な病気や障害ではなく、誰もがなる

自然な老化現象です。

50才くらいからは、ほとんどの人が、若い頃に比べて、聞こえ(コミュニケー

ション)に何らかの支障が出ているはずです。

こういった人に、マスクをした状態で早口で喋る。

これは地獄です。

何を言っているのか全く分からないはずですから。

近年は、身近に高齢者がいない環境で大人になった人がすごく増えてきています。

そういった人たちは、ネットやテレビの情報を素直にストレートに受け入れます。

シニアはみんな認知症で、

車を運転すれば事故を起こすし、

話をしても理解できない

と思い込んでしまっている人が増えています。

そういう思い込みの人がドンドン増えていったら・・・

それって

すご~く

嫌~な社会だと思いません?

オトデザイナーズでは、加齢性難聴をキーワードにして、そんな間違った思い込みを

している人を、少しでも減らしていきたいと考えています。

皆が気持ち良く暮らせる社会になるように、微力ながら、これからも活動を続けて

いきますので、応援してくださいね。

(2019.5.17)


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