オトコラム

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第24号 好きな音と嫌いな音

オトデザイナーズでは、1万人の方を対象に、音に関するアンケート調査を行ったことがあります。
好きな音、嫌いな音、会話をしにくいと感じる場所、音に関する思い出などを、1万人の回答者に尋ねたのです。
会話をしにくい場所に関しては、第19号でお話ししましたよね。

今回は、好きな音、嫌いな音に関して、お話してみたいと思います。
まず、皆さんが好きな音の第1位と第2位は何の音でしょう?

なんだと思います?
う~ん・・・

あんまり引っ張ってもおかしいですね。
では、
ジャジャジャジャ~ン!

第1位 川のせせらぎ
第2位 波の音

です。

では、嫌いな音は?

第1位 蚊の飛んでいる音
第2位 クチャクチャと食べる音

です。
ここに書いた第1位と第2位については、男女差はありません。
男女ともに同じ答えでした。

まず、「水の音」が好まれるという事が、ここからハッキリ分かりますね。
これは日本人に特有の傾向ではないかな?と、私は思います。
海に囲まれた狭い島国の中で、自然とともに暮らしてきた農耕民族の日本人には、水の音への郷愁があるような気がしますね。

一方で、嫌いな音の結果を見ると、これは完全に、音そのものではなく、「その音を発している物」へのイメージですね。
もし、蚊に刺された経験のない人がいれば、その人は蚊の音なんて、なんとも思わないでしょう。
クチャクチャという音も、食事中に誰かの口元から聞こえるから気持ちが悪いのであって・・・
全く関係のない場所で聞こえてきたら、食べる音だということも分からないし、ましてや“嫌い”だとも思わないでしょう。

そうやって考えると、例えば「川のせせらぎ」の音は、実際の川の音を生録音するよりも、水道などから出る水をコップや茶碗で受けた時に出る「チョロチョロ」という音を録音して聞いた方が、「せせらぎ」らしく聞こえます。
波の音は、大きなザルやタライの中に小豆を入れてザーッと動かした方が、海で生録音するよりも波らしく聞こえます。
映画やアニメ、ラジオドラマなどでは、そうやって音を作っていたそうです。
「川のせせらぎの音が好き!」
って言っても、実は水道とコップと茶碗の音だったりするわけです。

音は、そこから何をイメージするかによって、癒しにもイライラの原因にもなるのです。
昔の人は、かすかに聞こえる水の流れの音や風の音などから季節や自然を感じとり、それらの音から癒しを受け取っていたのです。
一方で現代人は、インターネットや映像技術の進歩によって、川でも海でも夏でも冬でも、いつでもその場の音を映像付きで見て、聞くことが出来るようになりました。

しかし・・・それって本当に幸せでしょうか?

日々の生活で聞こえる様々な音から“癒し”や“幸福”を感じていた昔の人々の方が、ひょっとしたらイマジーネションが豊かで、愛情に満ちた生活を送れていたのかも
しれません。

(2010.06.22)


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